「THE夏の魔物2018 OSAKA」
昨日は偶然、家の近所の味園ビルで好物ばかりのお子様ランチのようなフェスが初開催されるのを知って大興奮。
(東京のメンツ、エグいな…)
開場前から並んで当日券をゲットし、浮かれ気分でブログを更新したりもしました。
ちなみに9月9日は、奇数のゾロ目が重なる節句シリーズ(1/1元旦、3/3桃の節句、5/5端午の節句、7/7七夕)の最終回である「重陽の節句」 。古代中国では、この日に「(山や丘など)高いところに登り、菊の花の酒を飲んで邪気を払う」という風習があったそうです。
ということで、今年は菊酒じゃなくビール片手に音楽で高みに連れて行ってもらいましょう。
途中から見て、最後まで見てない中途半端な「夏の魔物2018 OSAKA」私的感想
記念すべき大阪初開催の「THE 夏の魔物2018」。私はスタートからしばらくいて2時間ほど抜け、ラスト1時間前に帰ったので総括なんてできないんですが、見た限りではフェスというより、かなり地元感の強いライブハウスのライブみたいでした。
まず、会場となった難波の味園ユニバースからしてこんな感じです。
他県の方に説明すると、味園ユニバースは、大阪人なら誰でも名前は知ってる(若い子は知らないかも…)巨大キャバレーで、深夜に流れていた「明日への活力!ユニバース、ユニバース!」という安っぽいエコーがかかったCMは、いたいけな青少年たちに途方もないB級感と胡散臭さとわくわくするような夜の世界を感じさせてくれました。
(難波の味園ユニバースと京橋のグランシャトーは、「そんなには憧れへんけど、ちょっと楽しそう」という、実に大阪らしい存在の場所でした)。
その後キャバレーは廃業しましたが、凝った内装をそのまま生かしてライブやイベントなどに使われています。
東京はお台場の野外特設会場で7ステージですが、大阪はこの味園ユニバースで2ステージ。周りには立呑み屋がずらりと軒を連ね、斜向かいにはでかいラブホテルが建っている、そんな環境です。
ちなみに味園ビルの入口はこんな感じ。螺旋階段の内側には滝が流れています。
なぜこんなにしつこく紹介するのか。
それは、私が味園ビルを好きだから。
好きな場所に、好きなミュージシャンたちが集まる。これほど嬉しいことがあるでしょうか!!
そして、この「よくぞ大阪で、この味園ユニバースで、夏の魔物を初開催してくれました!!」という想いをあの会場で一番強く持っていたのが、大阪出身のバンド、空きっ腹に酒のボーカル、田中 幸輝だったと思います。
(私が見てない時間に、もっと熱いバンドがいたらごめんね)
いや、もうすごかったです。「お前らほんまに音楽が好きなんか?!」「大阪の本気はこんなもんなんか?!」と観客を煽って煽って、意地でも盛り上げよう、会場にいる全員に音楽を、今この場所この瞬間を好きだと思ってもらいたいという、熱の塊をぶつけるみたいなステージでした。
自分たちの地元で憧れのフェスに初出演できて、全力を出し尽くし、「楽しい。それで、もうええわ」とかすれ気味に言うのを聞いた時は、なんか胸がつまって少し泣きそうになったほどです。
楽しい、それでもういい、と思える瞬間が昔、確かに私にもあって、それがどれほど幸せなことだったかを、渦巻くような盛り上がりのなかで思い出したりもしました。
いつの時代も、刹那的にがむしゃらな若者の姿は心に強く訴えかけるものがあります。
で、音楽は?いや、もう最っ高にカッコよかったよ!
後でチェックしたらカメラマンも絶賛していた模様
夏の魔物大阪編!
— 橋本塁(サウシュー&STINGRAY) (@RuiHashimoto) September 9, 2018
無事に全アーティスト撮影終了!
以前the pillowsの打ち上げで一緒になって知り合いになった「空きっ腹に酒」のライブが超超絶にカッコいいライブでした!ヤバすぎた!!!
さて、仕事は終わらずこれからホテルで写真セレクト作業!#サウシュー #夏の魔物 #空きっ腹に酒 pic.twitter.com/vTjtZVO7it
味園ユニバースはやはりこれほど大きな音楽イベントには慣れていないせいか、音響の不備が目立ち、スタッフの動きも決していいとは言えなかったんですが、私が見ていた限り、手間取るサウンドチェックをフル演奏のエンターテイメントにして待っている観客を楽しませたのは、空きっ腹に酒と、我らがROLLYだけ。
初出演で気合が入っている若者たちもほんとに素晴らしかったですが、ROLLYのサービス精神はさすがでした。
そして、何より驚いたのが、ROLLYと大槻ケンヂのモテっぷり!!
2人のステージまでには、KING BROTHERS、クリトリック・リス、人間椅子とコアなファンを持つバンドが続き、非常に盛り上がっていたのですが、終わるやいなや、ステージ前に女子が殺到。それまでと男女の配置がまったく入れ替わりました。私も紛れて、何とか3列目あたりを確保したんですが、周りはすべて女子、しかも若っ!!たぶん20代です、あの子たち。
すごくないですか、ROLLYもオーケンも50超えてるんですよ。
自分より30近く年上の、初老のミュージシャンに群がる若い女たち。
特に最前列と次列あたりは、ほぼオーケンファンで埋め尽くされていましたね。
で、間近で見たROLLYは、オーラが半端なかったです。日本でフレディ・マーキュリーのステージ衣装を完璧に着こなせる55才はROLLYだけでしょう。登場から退場まで、隙あらば誰かがどこかで「ROLLYー!」と声援を送っていて、身内びいきにも似た愛されようでした。
で、間近で見たオーケンは、やっぱりスターでした。サウンドチェックで出てきた時はあまりの冴えなさに目を疑ったのに、筋少の衣装を着てステージに上がってきた途端に会場の空気を一瞬でつかんで、それからはもうオーケンの独壇場でした。
前の女子たちが踊る踊る。いや、君たち全盛期の筋少をリアルでは知らないよね?君たちがTV見てた時にはもうオーケンはインテリ文化系タレント寄りで、世界ふしぎ発見の回答者だったりしてたよね?なのに、なぜここまで熱狂できるのよ?
長い髪なのに頭取れる勢いで8の字ヘドバンをするんじゃない!ムチと同じでめちゃめちゃ痛いのよ、縛りなさいよ。
でもまあ、筋少の「踊るダメ人間」をROLLYのギターで聴けるという、ものすごく贅沢な時間をすごせて、超満足でした。
往年のヒットナンバーという嬉しい選曲
2018.9.9『夏の魔物2018 in OSAKA』
— THE 夏の魔物/夏の魔物フェス公式 (@natsunomamono) September 9, 2018
「ROLLY&大槻ケンヂと魔物少女達」
1.恋のマジックポーション
2.マリオネット
3.人として軸がぶれている
4.林檎もぎれビーム!
5.踊るダメ人間
ありがとうございました!#夏の魔物 pic.twitter.com/aZmVr0VMQV
ただ、この辺りからだんだん腰が限界に近くなってきて、何とかフラカンまで我慢したんですが、肝心のフラカンが、ちょっと、何か。。。。
トークが多少その、つまんなくて、疲れがピークに。
それまでにも、THE NEATBEATSがフラカンの名曲『深夜高速』の"生きててよかった、そんな夜はどこだ?”という歌詞をもじって、「俺らも深夜高速ならぬ阪神高速って歌ったろかな、"空いててよかった、降り口はどこだ?”」といじって笑いを取ったり、フラカンの前に出演したTOMOVSKYが「圭介(フラカンのボーカル、鈴木圭介のこと)はどこだ?"青春ごっこを今も~?”」と深夜高速の最初の部分を歌って呼びかけたり、散々フリがあったのに(だからか?)一切、そういうノリには触れず、もちろん、深夜高速もやらず。
サービス精神はどこだ?
(フラカンファンの皆さま怒らないでください。きっと疲労困憊しすぎてフラカンの実直さを受け入れられなかっただけなんです)。
探していたサービス精神は、フラカンの後に登場した奇妙礼太郎のステージにありました。音響トラブルですべての音源が落ちるなか(どういう状況だよ?)、動じずにアカペラ肉声で歌い上げるという見事なパフォーマンスを披露。奇妙礼太郎、スカしているのかと思っていたら、熱くてすごくいい人じゃん!もっと好きになったなー。
いいものを見れたので、ここで私の夏の魔物は終了。
トリの鮎川誠が見れないのは残念だったけど、やっぱり6時間スタンディングは40オーバーには堪えるわ。
直立不動で身動きひとつせずバッキンガム宮殿を警護する、あの素敵な衣装のロンドンの近衛兵たちは、やっぱり軍人なんだな、とどうでもいいことを考えながら、雨の中を濡れながら帰りました。
てか、行きは確かに持ってたはずなのに、
私の傘はどこだ?! !
全然、邪気払えてなくない?
でも、楽しかったから、それでもうええわ。